語りえぬものはかく語りき

柾葉進の徒然なる随想ブログ

2018-12

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[2018-09-25]  和歌に負けないアニメソング  

日本が誇る文化である和歌には多くの修辞技法が存在しますが、僕は「序詞(じょことば)」と呼ばれるものが個人的にとても好きです。

序詞の代表例として、百人一首にも選ばれた柿本人麻呂の次の歌が有名です。

「あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を 一人かも寝む」
(山鳥の長い尾のように、長い長い夜を一人で寂しく寝るのだなぁ。)


この歌の本質は「長い夜を一人寂しく寝る」というだけなのですが、その“長い”を導く言葉として「山鳥の尾の長さ」を持ってきている。これが序詞です。

そのように聞くと誰にでも使えそうな簡単な手法ですが、実はこの歌が名歌と評されるゆえんは、「山鳥のオスとメスは夜は別々に過ごす」という背景知識があることを踏まえていることにあります。

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[2018-07-27]  地球の測り方  

人類が「もしかして地球って丸いのでは?」と気づいたのはいつでしょうか。それは古代ギリシャの時代です。紀元前4世紀に活躍した哲学者アリストテレスは地球球体説を支持し、その論拠を次のように述べています。

 ・南の地方で見えるのに北の地方では見えない星がある。
 ・月食は太陽光が生む地球の影だと考えられ、その影が丸い。

現代の我々は、近世の航海者コロンブスによる新大陸発見のエピソードに関して、地球が平面で海の果てが滝のようになっている図を教科書等で見た覚えがあると思います。

「中世の人々は海の果てにいけば落ちてしまうと信じていたが、コロンブスは勇敢にも実際に航海に出て、水平線の遥か先に大陸が存在することを実証してみせた」などとドラマチックに語られることもあります。もちろんコロンブスの冒険心は偉大です。しかし彼よりも約1000年前に、人類はただ観察と論理のみによって「地球が丸い」という知識をすでに得ていた、という事実も同じくらいドラマチックだと思うのです。

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[2017-07-25]  露と山  

「人間」vs「自然」というのは多くの場で持ち出される対比構造であるし、もはや陳腐とさえ言えるかもしれない。特に近代における工業の発展に伴って、公害や環境問題の文脈において語られることの多かったテーマであり、環境保護の理念がある程度浸透した現代においては、改めて強調するまでもなくその二項は人々の頭の中にすでに備わっているに違いない。

だが、人間vs自然の対比は現代においても依然として本質的な議論を内包し、ある意味では人類にとって永遠の未解決課題として残っている。そもそもの問題は、人間と自然が完全に二分できないということに端を発する。我々が自然という語を用いるときに想定する動物や植物と同じ細胞によって構成され、同じ生命メカニズムによって日々の生活を営むのが人間であるという点に、根本的な難しさがあるのだ。

芋の露 連山影を正しうす


という飯田蛇笏の有名な句がある。

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[2017-06-07]  獣とは何か  

おそらく今年最大の話題アニメであろう「けものフレンズ」の放映が終了してから、早くも2ヶ月が経とうとしているが、現在進行形で全国各地の動物園をはじめとするコラボイベントやグッズ販売など、新しい企画が次々と繰り出されており、いわゆる“けもフレ”ブームはまだまだ収束の気配を見せていない。

どうして「けものフレンズ」がここまでの人気作品となりえたのか、ということに関しては様々な人が様々な推測を述べている。というのも、近年で爆発的ヒットを巻き起こした他のアニメ作品群とは明らかに毛色が異なっているのだ。

例えば「魔法少女まどか☆マギカ」は3話の時点で味方の魔法少女が惨殺される衝撃シーンがあり、そこで一気に注目を集めた。その後も“魔法少女という表題を掲げておきながら主人公が魔法少女にならない”という意外性が視聴者たちの興味を引く大きな要素となった。

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[2017-05-30]  美少女ゲーム作品に見るニーチェの思想  

【本記事は、2015年8月に刊行した同タイトル書籍の全文となります。発刊から一定期間が経過したため掲載致します。新刊案内時の記事はこちらです。】

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(1)はじめに

僕は今でこそ小説、アニメ、ゲーム等々が大好きですが、小学生の頃は物語作品というものにあまり興味が持てず、読書もどちらかというと嫌いなほうでした。それでも一つだけ好きな本のジャンルがあって、それは世界中の偉人について書かれた伝記でした。なかでも特に僕の心を引いたのは「エジソン」や「ライト兄弟」などの発明家と呼ばれる人たちのエピソードで、何度も読み返しては、家の戸棚にあった工具類を引っ張り出してきて自分でも何か新しいものを作ろうと励んでいた記憶があります。(もちろん全部ガラクタにしかなりませんでしたが。)

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[2017-05-29]  『永遠の0』と『魔法少女まどか☆マギカ』の類似点に関する考察  

【本記事は、2015年8月に刊行した同タイトル書籍の全文となります。発刊から一定期間が経過したため掲載致します。新刊案内時の記事はこちらです。】

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(1)はじめに

今年僕が読んだ本の中で特に印象に残っている作品の一つに、『永遠の0』がある。2013年に映画化されて話題になっていた本作だが、「戦争もの」ということで何となく避けてしまっている人も多いのではないかと思う。だが少なくとも言えることは、原作小説と映画版のどちらにおいても、いわゆる戦争賛美の視点に立った物語では決してなく、むしろそれとは真逆のメッセージ性を持つ作品だったということである。そのメッセージが正しいかどうかはともかくとして(僕自身、この作品の方向性に賛同できない部分も少なからずあるのだが)、明治維新以降の近代日本の集大成であり、終点であり、そして現代の日本の起点ともなった太平洋戦争について、多岐にわたる情報および一定の見方を提示してくれているという点で、そこから連なる今という時代を生きる日本人にとって一読あるいは一見の価値が十二分にある作品だと確信している。

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[2017-04-27]  ほのぼの神社のすすめ  

皆さんは“世界でもっとも数多くアレンジされている曲”をご存知でしょうか?

僕ははっきりとは知りません。詳しい人がいたら教えてください。
世界各地の民謡やクラシック音楽などを含めたら、なかなか正確な数値化が難しいようにも思います。

ただ、ちょっとネットで調べてみたところ「アレンジ数が多い」ということで一番有名なのが「popcorn」という曲のようです。

調べて聞いてみたら、たしかに僕もこの旋律に聞き覚えがありました。
つまりはそれくらい色々な場所で使われているということでしょう。
(カバー曲は数百~数千あると言われており、アマチュアも含めるとさらに大きい数になるようです。)

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柾葉 進  (まさば すすむ)

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哲学、歴史、文学、評論等。アニメやエロゲ(美少女ゲーム)を切り口にして論じたものが多数あります。

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● 「『永遠の0』と『魔法少女まどか☆マギカ』の類似点に関する考察」(2015年)
 
● 「美少女ゲーム作品にみるニーチェの思想」(2015年)

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