語りえぬものはかく語りき

柾葉進の徒然なる随想ブログ

2018-12

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[2017-06-07]  獣とは何か  

おそらく今年最大の話題アニメであろう「けものフレンズ」の放映が終了してから、早くも2ヶ月が経とうとしているが、現在進行形で全国各地の動物園をはじめとするコラボイベントやグッズ販売など、新しい企画が次々と繰り出されており、いわゆる“けもフレ”ブームはまだまだ収束の気配を見せていない。

どうして「けものフレンズ」がここまでの人気作品となりえたのか、ということに関しては様々な人が様々な推測を述べている。というのも、近年で爆発的ヒットを巻き起こした他のアニメ作品群とは明らかに毛色が異なっているのだ。

例えば「魔法少女まどか☆マギカ」は3話の時点で味方の魔法少女が惨殺される衝撃シーンがあり、そこで一気に注目を集めた。その後も“魔法少女という表題を掲げておきながら主人公が魔法少女にならない”という意外性が視聴者たちの興味を引く大きな要素となった。

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[2017-05-29]  『永遠の0』と『魔法少女まどか☆マギカ』の類似点に関する考察  

【本記事は、2015年8月に刊行した同タイトル書籍の全文となります。発刊から一定期間が経過したため掲載致します。新刊案内時の記事はこちらです。】

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(1)はじめに

今年僕が読んだ本の中で特に印象に残っている作品の一つに、『永遠の0』がある。2013年に映画化されて話題になっていた本作だが、「戦争もの」ということで何となく避けてしまっている人も多いのではないかと思う。だが少なくとも言えることは、原作小説と映画版のどちらにおいても、いわゆる戦争賛美の視点に立った物語では決してなく、むしろそれとは真逆のメッセージ性を持つ作品だったということである。そのメッセージが正しいかどうかはともかくとして(僕自身、この作品の方向性に賛同できない部分も少なからずあるのだが)、明治維新以降の近代日本の集大成であり、終点であり、そして現代の日本の起点ともなった太平洋戦争について、多岐にわたる情報および一定の見方を提示してくれているという点で、そこから連なる今という時代を生きる日本人にとって一読あるいは一見の価値が十二分にある作品だと確信している。

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[2015-08-21]  アニメ作品に見るニーチェの思想  

19世紀末のドイツにおける代表的な哲学者フリードリヒ=ニーチェの思想は、当時の西洋哲学界に対して大きな衝撃をもたらしただけではなく、20世紀以後のいわゆる現代哲学の各潮流にとっても無視することのできない、重大な指摘を内包するものとしての存在感を示していました。そして21世紀を生きる我々現代人にとってもそれは同様であり、また哲学の世界だけではなく、様々な物語作品の中にその思想の残滓を読み取ることができる例というのも、今ではいくつか存在します。

今回は日本のとあるアニメ作品について、それを考えてみたいと思います。

さて、その前にニーチェの思想とは何だったかを整理しておくと、一言で表すならば「神は死んだ」でした。もう少し詳しく言うならば、「あの世基準ではなくこの世基準で物事を考えろ」ということです。そしてさらに正確に言うならば、たとえこの世基準であっても他人に言われるままではダメで、自分で自分の生き方をしっかり考えなくてはならない。そして「こう生きよう」と思った道を見つけたならば、何としてもその道を進んでいけ、という力強いメッセージを含んだ哲学でした。

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[2015-04-21]  プリパラ  

世の中には「女児向けアニメ」というものが存在します。

土曜や日曜の朝にやってるアニメですね。文字通り幼い女の子向けに作られたアニメですが、大の大人がそれを見てはいけないという法は存在しません。むしろ大人だからこそ楽しめる面があります。(変な意味ではありません。いや、まあどこからどうみても変ではあるんでしょうけど……)

結論から言うと、今やっている『プリパラ』という女児向けアニメが、びっくりするほど面白いんですよね。

知人から勧められて、最初は正直「うーん、女児向けアニメかー……」と気乗りせず見ていたのですが、いつのまにかドハマリして、毎話少なくとも2周はするようになってしまいました。僕は基本的にアニメは何度も繰り返して見るタイプではないので、毎回2周するというのは僕にとって結構どえらいことです。

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[2014-11-28]  潮あるいは汐  

アニメに何を求めるかは人によってそれぞれ異なると思います。

が、大まかには次の2通りの視点に分けることができるかもしれません。すなわち「絵はわりとどうでもいいけど、とにかく面白い話が見たい」という意見と、「話は平凡でいいから、綺麗な絵が動いているのを見たい」という意見です。もちろん、人によってどちらかはっきりと決まるというものでもないでしょう。僕自身、何となく前者の気分の日もあれば、後者のように思う日もあります。

しかし世の中には、両方の要望を一度に満たす作品というのも存在します。

要するに「話が面白くて、絵も美しい」というアニメです。絵の美しさにもいろいろありますが、特に物語舞台の背景の繊細さ・緻密さという点で捉えるならば、ちょうど昨年の今頃放映していた『凪のあすから』という作品を思い出します。近年の傑作としては一番の候補に挙がるかもしれません。

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[2014-07-02]  有終の美へ  

アニメ『ラブライブ!』が、堂々の最終回を迎えた。そして先日発売されたBD1巻の売り上げは、8万2千枚。なんと、あの『エヴァンゲリオン』を抜いて、TVアニメ史上最高の初動記録である。

しかし、そんな数字にだまされてはいけない。『ラブライブ!』はアイドルアニメであり、現実に各キャラの声優たちによるライブが開催されるのだが、そのチケット申込券がBDに付いてくるのである。まごうことなき“特典商法”である。例のAKBの握手券ほどではないが、(そもそも2次元のキャラと握手しようがない)、しかし純粋にアニメの出来を反映した数値ではないということは事実である。

だから、いくらアニメ史上の最高記録であろうと、その数字を根拠に「ラブライブは最高のアニメだ」などと言うのは愚の骨頂である。

しかしながら、ラブライブは近年のアニメ作品の中で、やはりひときわ輝くものを持っていた。それは、アニメの脚本である。この脚本がなければ、いくらキャラクターが魅力的だろうと、僕は絶対にBDを買わなかった。

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[2014-05-11]  フラグという日本語  

「日本語の豊かな語彙が失われつつある」という論調をしばしば目にする。

確かにそういった事実自体は存在するだろう。しかし、それは言語というものの特性なのであって、一概に批判するのはむしろ偏狭かつ不自然な思想である。言語は失われていくばかりではない。感覚として古く親しんだものの喪失のほうが際立つかもしれないが、それと同時に新しい言葉も着実に生まれているはずなのだ。

そういった新しい「現代語」候補の一つに、“フラグが立つ”という表現がある。これは既存の日本語では代替表現の難しい、面白い概念である。あえて訳すとするならば、「そういう未来が訪れる可能性が濃厚になった」とでも言おうか。

ただ、単純に未来の可能性を述べているだけかというと、少し違う。たとえば、家の花瓶を割ってしまったときに「怒られるフラグが立った……」というのは、やや誤用である気がする。(最近は意味が広がっているので、これでも通じるだろうけれども。)

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[2012-11-14]  魔法少女論  

我々人間は何故これほどまでに「魔法少女」という存在に対して飽くなき憧れと崇拝の念を抱かずにはおれぬのだろうか? (という下らないことを真面目に突きつめるのもたまにはいいだろう。)

そも魔法少女とは何か。 一人の「少女」でありながら、「魔法」を用いて勧善懲悪を施行する「正義の味方」である。つまり「少女」と「正義の味方」という両面性が共存し融合しているのが魔法少女の本質だと捉えることができる。

さて我々はまず、正義というものに対して普通は多少の憧れを抱くものである。無論、年を経るごとに「正」「不正」の観念に対する感情は複雑化するが故に、正義などという言葉一つで語られてしまう場合にはかえってうさんくささを感じるし、正義の味方とは所詮、子どもが漠然と抱くレベルの虚像でしかないと考えるようになる。

しかし無垢な子どもが抱く感情というのは、確かに漠然としているものの案外に人間的精神の向かうベクトルを如実に語る場合があるように、この場合もまた、人は本質的に善を志向する存在であることは(たとえ部分的ではあっても)肯定されよう。

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柾葉 進  (まさば すすむ)

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哲学、歴史、文学、評論等。アニメやエロゲ(美少女ゲーム)を切り口にして論じたものが多数あります。

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● 「『永遠の0』と『魔法少女まどか☆マギカ』の類似点に関する考察」(2015年)
 
● 「美少女ゲーム作品にみるニーチェの思想」(2015年)

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