語りえぬものはかく語りき

柾葉進の徒然なる随想ブログ

2018-05

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[2015-03-18]  理性の化け物  

宝島社発行の「このライトノベルがすごい! 2014」で作品部門1位に輝き、今もっとも若者の間で人気があるといえるラノベの一つが、渡航氏の『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』という作品だと思います。通称は『俺ガイル』。

アニメも2013年に一期が放映されて人気を高め、そして二期が今年の4月から放映予定であり、ますます期待の高まる一作だと言えるでしょう。

ストーリーとしては、他者と接することを苦手とし、友人と呼べるものを一切持てなかった主人公(比企谷八幡)が、同じくコミュニケーションに難のある少女(雪ノ下雪乃)や、他者の顔色を過剰に気にしてしまう少女(由比ヶ浜結衣)とともに「奉仕部」という部活を結成することになり、学内のさまざまな人間の悩みを解決していくという物語です。しかし後半では、その活動によって他者とのつながりができてしまった主人公が、一筋縄ではいかない人間関係の当事者となり、その中での葛藤を通して自己の在り方の難しさを再認識していく過程が描かれます。

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[2014-08-09]  透明感のある文体  

ライトノベル、いわゆるラノベで好きな作品というのはたくさんあるが、その中の一つが、橋本紡の『半分の月がのぼる空』である。

そもそも僕がはじめて手にとって読んだラノベだった気がする。かなり昔のことであるが、いまだにこの作品は心の中に強く残っている。僕は本来は森鴎外の『雁』という作品をきっかけに小説にはまり、その後もいわゆる純文学を好んで読んでいた人間なのだが、ラノベにおいてその『雁』と同じ役割を果たしたのが『半分の月がのぼる空』だったと言えるかもしれない。

たしかにラノベには純文学作品のような濃密な日本語表現は見られないのだが、そのぶん一種の爽やかさのようなものがある。その爽やかな雰囲気が、作者の独特の文体との間に絶妙なバランスへと至ったとき、そこには純文学では表せないような情緒が生まれる。こういった情緒もまた僕は好きなのだ。そしてそれを僕に最初に教えてくれたのが、橋本紡の作品だったのである。

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[2013-02-01]  文学との邂逅  

僕は子どもの頃は文学やら小説やらが大の苦手で、そういった類の本を国語の教科書以外ではほとんど読まなかった。しかしその価値観がはっきりと反転した瞬間というのを僕は覚えていて、それは高校一年の夏、森鴎外の『雁』を読んだことだった。

なぜそれを読んだのかは昔のことなので覚えていない。文庫本を買って実家の自分の部屋で読んでいたのは確実に記憶に残っているが、その文庫本をどこの書店で何を思って購入したのかがまったく思い出せない空白となっている。まあそんなものだろう。もしかしたら学校から出された夏期休暇課題の読書感想文か何かを書くためだったのかもしれない。

だがとにかくも、その森鴎外の『雁』を読んで僕は夢中になってしまった。話の展開も妙に惹きつけるものがあったが、何より森鴎外の独特の文体によって表現されている情緒が、当時の僕の感性を根底から刺激した。「文学に目覚めた」などというと非常に浅薄な表現となってしまうが、たしかにあの『雁』を読んで以来、僕は文学小説が良いものだと思えるようになったのは事実である。

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[2012-05-27]  ラノベとは何か  

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を題材に扱っている物語作品は色々あると思いますが、個人的に特に印象に残っているのは以下の5つです。

・『銀河鉄道999』(松本零士、1977-1981)[漫画]
・『半分の月がのぼる空』(橋本紡、2003-2006)[ラノベ]
・『“文学少女”と慟哭の巡礼者』(野村美月、2007)[ラノベ]
・『素晴らしき日々~不連続存在~』(ケロQ、2010) [エロゲ]
・『輪るピングドラム』(ブレインズ・ベース、2011)[アニメ]

どれも名作ですが、この中で「銀河鉄道の夜をもう一度読み直してみたい」と一番強く感じさせてくれたのをあえて選ぶとすれば、やはり3つ目かなと思います。

宮沢賢治の生涯も絡めて物語全体のクライマックスにつなげてみせたところなど、作者の野村美月氏の溢れんばかりの表現力、そして文学に対する飽くなき愛情が感じられて、感動というより尊敬の念がこみ上げてくる作品でした。

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柾葉 進  (まさば すすむ)

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哲学、歴史、文学、評論等。アニメやエロゲ(美少女ゲーム)を切り口にして論じたものが多数あります。

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