語りえぬものはかく語りき

柾葉進の徒然なる随想ブログ

2011-08

« 12345678910111213141516171819202122232425262728293031»

[2011-08-23]  車輪と向日葵の狭間で  

エロゲの傑作として名高く、発売から8年が経とうとする現在もなお、ひとたびエロゲの話題となれば必ず誰かがタイトルを挙げるだろうという作品がある。あかべぇそふとつうの『車輪の国、向日葵の少女』だ。

この作品のテーマを一言で表すならば、「社会」vs「人間」の対比ということになる。

「社会」の象徴となるのはもちろん法月将臣。厳格な指導者としての彼の言動一つ一つには安易に反論できぬ重みがあり、物語における社会の雰囲気そのものを決定づけている。一方、厳格な法治国家の権化そのものである法月に対し、「人間」を象徴する存在が、主人公が出会う3人の少女たちである。

主人公である森田賢一は、かつて人間としての全てを失った。内乱を企てた父親は法月によって殺され、自らが逃げのびるために友人たちを裏切り、その果てに結局、法月に捕まってしまう。そして彼のもとで「社会に貢献する人材」となるべく、7年間、個性や感情を全く無視した教育を受ける。

続きを読む ≫

[2011-08-02]  王道は難しい  

「大手エロゲメーカーと言えば?」という問いで、もはや必ず名前が挙がってくるブランド、AUGUST(オーガスト)。会社名は株式会社「葉月」。

もともとは慶應義塾大学の学生らが立ち上げたサークルだったが、今ではエロゲ業界における、文字通り「王者」的ポジションとなっているのは、傍目にもなかなか感慨深いものがある。

「8月」は、かのローマ帝国初代皇帝に縁のあるいわば「皇帝の月」であり、その名アウグストゥスにちなんで「August」という月名になったわけだが、2000年の時を経て、極東の島国のエロゲメーカーの名前にまでなるだろうとは、アウグストゥス本人も予想だにしなかったに違いない。

このブランドの作品がヒットし、今も愛され続ける大きな理由としては、無論その中身、つまりシナリオの安定性や絵の可愛さ、背景の綺麗さなどもさることながら、作品のテーマ曲やBGMがもつ“透明感・清涼感”というのもまた、大きく寄与しているように思う。

続きを読む ≫

 | ホーム | 


 

 プロフィール

柾葉 進  (まさば すすむ)

 ブログ内容

哲学、歴史、文学、評論等。アニメやエロゲ(美少女ゲーム)を切り口にして論じたものが多数あります。

 ブログ案内

 全記事リスト

全ての記事の一覧

 ブログ内検索

 連絡先

pantheratora2369
☆zoho.com
(☆を@に変えて下さい)

 カテゴリ

 年別アーカイブ

 新刊情報

 
● 「東大医学部卒が語る 医師国家試験多浪体験記」

 準新刊情報

 
● 「私たちが選挙に行く意味は本当にあるのだろうか?」
 
● 「Boys,be unprecious!」

 刊行書籍

 
● 「『永遠の0』と『魔法少女まどか☆マギカ』の類似点に関する考察」(2015年)
 
● 「美少女ゲーム作品にみるニーチェの思想」(2015年)

 RSSリンク

 

FC2Ad