語りえぬものはかく語りき

柾葉進の徒然なる随想ブログ

2011-11

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[2011-11-12]  語りえぬものの追究  

2010年代に入ってからのエロゲで、現時点で最大の傑作として捉えておきたい作品がある。ケロQの『素晴らしき日々~不連続存在~』である。単純にシナリオ展開やキャラクターの個性、そして絵や音楽等の演出といった点でも秀でており、それだけでも十分に一級品たりえる素質を持っているのだが、それをさらなる高みへと昇華させたものこそが、作品の根底に流れる一大思想である。作中でも何度も言及されるその思想の提示者こそ、20世紀の天才哲学者とも称される「ルートヴィヒ=ウィトゲンシュタイン」だ。

エロゲには哲学的テイストを内包した作品が少なからず見られるが、これほどまでに一人の哲学者の思想をかみくだき、消化し、そして物語という地平で新たに開花せしめたエロゲが存在するだろうか。いや、エロゲに限らず、ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』を世に出してから今までのおよそ百年の間、彼の哲学を完全に体現した物語というのは無かったと言っていいのではないかと思う。無かったというよりはむしろ「ありえない」というべきだろうか。なぜならばウィトゲンシュタインの思想に匹敵するものとは、いわば「この世に存在する無数の物語の、その全て」だからだ。ゆえに、その部分集合である単体の作品では論理構造的にどうやっても表現しきることはできない。だが『素晴らしき日々』は、それをなそうとした物語なのだ。厳密にはこの作品にも結局それは不可能である。しかし、「この世の全ての物語への架け橋となる物語」を描くことである意味その目的を達成したと言える方法論は、まさしくウィトゲンシュタインがとった哲学的手法の再現であった。この見事なまでの作品理念に対する感動、そして物語が教えてくれるウィトゲンシュタイン思想の価値と意義について、順を追って考察していきたいと思う。

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柾葉 進  (まさば すすむ)

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哲学、歴史、文学、評論等。アニメやエロゲ(美少女ゲーム)を切り口にして論じたものが多数あります。

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