[2013-04-03] 日本人と漢字
「日本語は、特殊な言語だ」 とよく言われます。文法や敬語など、様々な点についてそれは指摘されます。しかし日本語がもっとも特徴的なのは、「複数の種類の文字を持っている」ことではないでしょうか。
かつての日本人は、中国という東洋世界の中心から漢字を輸入し用いていましたが、やがてその漢字をもとにして「“ひらがな”と“カタカナ”を作り出しました。ところが、ようやく民族独自の文字を2種類も持つことができたのにもかかわらず、日本人は外国産である“漢字”を、捨てずに使い続けたのです。
表意文字である漢字の利便性が大きかったというのもあるでしょうが、僕は個人的には、日本人は「漢字を好きになってしまった」から、捨てられなかったのではないか、というちょっと情緒的なことを考えています。
漢字が好きすぎて、あろうことか中国語を習わずとも日本語のまま漢文を読めてしまう翻訳方法「訓読」を開発してしまった日本人。その“漢字仮名交じり”の訓読文こそが、日本語の骨格となっていったのです。現代日本語のベースとも言える夏目漱石の文体も、幼少時に大量の漢籍を読んだ経験の産物だと言われます。
かつての日本人は、中国という東洋世界の中心から漢字を輸入し用いていましたが、やがてその漢字をもとにして「“ひらがな”と“カタカナ”を作り出しました。ところが、ようやく民族独自の文字を2種類も持つことができたのにもかかわらず、日本人は外国産である“漢字”を、捨てずに使い続けたのです。
表意文字である漢字の利便性が大きかったというのもあるでしょうが、僕は個人的には、日本人は「漢字を好きになってしまった」から、捨てられなかったのではないか、というちょっと情緒的なことを考えています。
漢字が好きすぎて、あろうことか中国語を習わずとも日本語のまま漢文を読めてしまう翻訳方法「訓読」を開発してしまった日本人。その“漢字仮名交じり”の訓読文こそが、日本語の骨格となっていったのです。現代日本語のベースとも言える夏目漱石の文体も、幼少時に大量の漢籍を読んだ経験の産物だと言われます。